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中国語(繁体字)

言語の説明

中国語は言語学的にはシナ・チベット語族に属し、母語として話す人口が12億人と世界一多い言語で、国連の公用語のひとつにもなっています。そのうち台湾、香港、マカオで主に使われているのが「繁体字(Traditional Chinese)」です。一方、中国本土やシンガポールで主に使われているのは「簡体字(Simplified Chinese)」で、繁体字と簡体字で名称や言い回しが異なることも多くあります。例えばトイレットペーパーを指すのに、同じ中国語でも「手紙」「手纸」「衛生紙」「卫生纸」と様々な表記があります。そのため、中国語への翻訳を要する際には、使用される地域・読者の事前確認が必要不可欠です。また繁体字は文字コード体系も簡体字とは全く異なるため、互換性はありません。

ひとくちに繁体字といっても台湾では「台灣國語」(共通語)、「台湾語」(方言)が混在していますし、香港では実は広東語がもっとも一般的に話されているものの、公的な書類は簡体字で作成することがあるなど、実際の言語使用状況はそうシンプルなものではないようです。

言語を取り巻く環境

中国語の需要は急速に高まりを見せていますが、簡体字のネイティブが12億人なのに対し繁体字は3000万人と数が少なく、世界の中国語試験を見ても簡体字が主流なのが実情です。しかし台湾、香港、マカオで一般的に使われるのはすべて繁体字表記のため、これらの国・地域を向け先とする翻訳はかならず「繁体字化」されている必要があります。割合は少なくともTPO(華語文能力測驗)という台湾語独自の試験もあり、簡体字とは一線を画しています。また中国(中華人民共和国)の教育部が設けた、唯一の公認中国語能力認定標準化国家試験であるHSK(漢語水平考試)では、回答が統一されていれば簡体字でも繁体字でもOKとしていることから、その存在は中国本土からも尊重されていることがうかがえます。
また、調査によれば日本の海外進出企業は2010年からはともにトップ10から落ちることがないことから、繁体字の翻訳需要は高いといえるでしょう。