トップ > 対応言語 > 中国語(簡体字)

中国語(簡体字)

言語の説明

中国語は言語学的にはシナ・チベット語族に属し、国連の公用語のひとつにもなっています。そのうち中国本土やシンガポールで主に使われているのが「簡体字(Simplified Chinese)」で、母語として使用する人口が12億人と世界一多い言語・文字です。 20世紀初頭、中国政府が「漢字簡化方案」を公布し、繁体字と呼ばれる複雑な文字を単純化し簡単な字体(=簡体字)が生まれました。台湾、香港、マカオでは「繁体字(Traditional Chinese)」が使用されており、簡体字と繁体字で名称や言い回しが異なることも多くあるため、中国語への翻訳を要する際には、使用される地域・読者の事前確認が必要不可欠です。また、簡体字を使用する圏内でも北京語、広東語、上海語、西安語など、地域による方言の文法・用法の差は大きく、中国人同士でも意志の疎通が難しいことがあります。そのため共通語として北京語をベースに「普通語(Mandarin)」が定められおり、多くの中国人は自分の地域の言葉に加えて普通語を理解するといいます。第2言語としての中国語は、この普通語を指すのが一般的です。

言語を取り巻く環境

簡体字の需要は急速に高まりを見せてきました。第2言語として中国語検定試験を受ける人数は2005年には世界で10万人超でしたが、2010年には約75万人(そのうち67万人が海外の受験者)に達しました。また2013年の調査では中国国内の外資系企業の数は44万以上に上り、それにともなって簡体字からの翻訳/中国語への翻訳は増加してきているといえます。日本国内では、訪日観光客の増加にともない、都市部のみならず地方でも翻訳需要が生じています。反対に、日本から中国へは2万以上の日本企業が進出しており、業績のよい企業は新工場を稼働し人員を増やすなど、その動きは活発に続いています。簡体字の翻訳は政治や外交の動きに大きく左右されるものの、2015年春号の通訳・翻訳ジャーナルの調査による「英語以外で需要が高い言語」の第1位が中国語であることからも、引き続きニーズの高い言語であるといえます。