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カザフ語

言語の説明

カザフ語はカザフスタンの国家語です。約 800万人以上の話者がカザフスタン、ウズベキスタン西部のカラカルパク自治共和国に分布しています。また、中国では新疆ウイグル自治区を中心に約 114万人、モンゴルの西部に約 115万人、ウズベキスタン、トルクメニスタンやアフガニスタンにも話者が分布しています。言語学的にはテュルク諸語の北西方言(キプチャク方言)に属し、トルコ語やウズベク語、キルギス語、トルクメン語、アゼルバイジャン語などと共通点を多く持ちます。他のテュルク諸語と同様に、語順、格助詞(日本語で言う「てにをは」)などの文法構造は日本語に似ています。表記にはキリル文字を用いますが、日本でよく見られる、ロシア語で使われるキリル文字とは異なります。現在、ローマ字での表記変更が計画されています。

言語を取り巻く環境

カザフスタンは、カザフ語を「国家語」としています。ソ連時代はロシア人の人口がカザフ人よりも優勢であり、またカザフ人の中にもロシア語を母語とする者もいたため、ロシア語話者の数がカザフ語話者の数より多いという状況が長らく続いてきました。また、カザフスタンは国民の3分の1が非カザフ人という多民族国家であり、住民同士の主要なコミュニケーション手段としてロシア語は今でも用いられています。しかし、政府によるカザフ語振興政策により、カザフ語の重要性を増し「国家語」としての地位を確立しつつあります。

カザフスタンはエネルギー資源、金属鉱物資源が豊富なため、中央アジアでも最大の経済規模とポテンシャルを有しています。石油と鉱業は同国のGDPのそれぞれ3割と1割を占める主要な経済部門です。近年、政府は金属加工部門の近代化、地質調査・探鉱の強化、資源企業の現地雇用の拡大などに精力的に取り組み、資源依存経済からの脱却を目指しています。