英訳する日本語原稿は何に気をつけて書く?
海外向けの文書を作る必要に迫られた場合、まず日本語で原稿を書いてそれを翻訳されると思います。どのみち翻訳してしまうのだから、日本語は意味が通じれば大丈夫だろう、そう思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ところが日本語の書き方によっては誤訳を誘発し、英語から多言語化した場合に、後工程でのやり直しによるムダの発生など、思わぬ事態を招く、といった危険性もあります。そのようなことにならないためには何に気をつけて原稿を書けばいいのでしょうか。
課題
弊社のあるお客様が海外に提出する書類を作成することになりました。提出する英語の文書の原稿となる日本語を書くに当たり、何に気をつけて書くべきか教えてほしい、というご依頼がありました。
解決策
弊社は一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会(TC協会)に所属しております。
TC協会は取扱説明書などの文書の品質向上によって、仕事や生活の質を高めることができる社会の実現を目指す団体です。この団体が発行している『日本語スタイルガイド(第3版)』には、今回の課題に対する有益な情報がまとめられています。この情報を中心にお伝えするのがよいと考え、お客様に説明を行いました。下記はその一例です。
(『日本語スタイルガイド(第3版)』より要約)
一般的に、日本語は文中に含まれる情報量が少なく、欧米系の言語は情報量が多いと言われています。例えば日本語には単数/複数表現や名詞の性別がありません。
この違いは、英語から日本語に翻訳するときと日本語から英語に翻訳するときに、翻訳の難易度や品質の差異が生じる原因となります。英語版を作成する場合は、英語に翻訳するために不可欠な情報を日本語に追加することが重要です。
▼ 日本語
▼ 英語
オレンジが好きですか?
→like orange?
Do/Does
You/I/you guys/we/they/he/she/it
Like
an/my/your/his/her/this/that/the/their/these/those
orange/oranges?
まとめ
海外向けの文書を作る際には、原稿である日本語の書き方に注意する必要があります。
一例として「言語による情報量の違い」があり、母国語で原稿を書いている時にはなかなか認識しにくいことです。しかしその配慮をしておかないと意図する内容に翻訳されず、トラブルを招く危険性もあります。
弊社ではこのようなアドバイスを行うこともできますし、お客様が書かれた原稿をリライトすることもできます。海外向けの文書作成をお考えの方はぜひ一度ご相談ください。
(2019年7月1日)
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